悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
そこには国王の直筆で『トリニティの婚約相手を探すのを待ってもらえないか』『ダリルがトリニティを気に入っている』と書かれていた。
『トリニティには暫く内密にするように』
それには二人は首を捻ったが、ダリルがトリニティの提示した理想の男性になるまでは猶予が欲しいと可愛らしい理由が綴られていた。
トリニティから聞いていたダリルとの顔合わせの話とは全く違う内容に、二人は開いた口が塞がらなかった。
トリニティは「根本的に合わない」と言っていたからだ。

「どういうことかしら?」
「いや……分からない」
「もしかしてサプライズをしたかったんじゃないかしら!?」
「おお……! なんて素晴らしい! さすがイザベラの娘だ」
「マーク……!」
「……イザベラ」

手を取って立ち上がった二人……テーブルに積み重なっていた大量の肖像画が床に落ちる。
マークとイザベラはトリニティが自分達を喜ばせるためにダリルに内緒にして欲しいと頼んだのだろうと、勝手に脳内変換をした。
そしてダリルもトリニティを好いているのだ。

「なんて素晴らしいのかしら」
「トリニティもついに……! うぅ……」
「アナタ! ここはトリニティちゃんの成長を喜ばないと」
「そうだな! 私達は影ながら二人を応援しよう」
「そうしましょう……!」

トリニティに知らせたい気持ちを押さえながら二人はクルクルと回って喜んでいた。
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