悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
(でも、あんな所に戻りたくない……!)
トリニティの足音がコツコツと響く。
そして徐々に此方に近付いて来た事が分かり、ギュッと目を閉じた。
(お願い……! お母様、たすけて)
そんな時、髪にトリニティの指が触れる感触がして、ゆっくりと顔を上げた。そこには……。
「ハァ、ハアァ……か・わ・い・い」
「!?!?!?」
目の前には恍惚とした表情のトリニティが居た。
そのあまりの勢いに息を呑んだ。
予想に反するトリニティの行動に上手く反応が出来なかったのだ。
そして次に感じたのは温かさだった。
トリニティに抱きしめられていると気付いたのは暫く経ってからだった。
混乱していると彼女は目をキラキラと輝かせながら早口で話しかけてくる。
「こんな弟がずっとずっと欲しかったのー! 夢って叶うものね! 好きなものは何? 甘いものは好き? ふわふわの毛が可愛いわ! ウサギみたいッ」
「…………え?」
突然コンラッドを人形のように抱き締めた後、撫で回し始めるトリニティに、どうしていいか分からずに固まってしまった。
そして追いかけてきた侍女が息を切らしながら此方に走ってくる。
「……お、お嬢様ぁ! こんなところに」
「あらケリー、どうしたの?」
「コンラッド様も走るの早すぎですぅ! 途中で見失っちゃうし、ケリーもう疲れちゃった」
トリニティの足音がコツコツと響く。
そして徐々に此方に近付いて来た事が分かり、ギュッと目を閉じた。
(お願い……! お母様、たすけて)
そんな時、髪にトリニティの指が触れる感触がして、ゆっくりと顔を上げた。そこには……。
「ハァ、ハアァ……か・わ・い・い」
「!?!?!?」
目の前には恍惚とした表情のトリニティが居た。
そのあまりの勢いに息を呑んだ。
予想に反するトリニティの行動に上手く反応が出来なかったのだ。
そして次に感じたのは温かさだった。
トリニティに抱きしめられていると気付いたのは暫く経ってからだった。
混乱していると彼女は目をキラキラと輝かせながら早口で話しかけてくる。
「こんな弟がずっとずっと欲しかったのー! 夢って叶うものね! 好きなものは何? 甘いものは好き? ふわふわの毛が可愛いわ! ウサギみたいッ」
「…………え?」
突然コンラッドを人形のように抱き締めた後、撫で回し始めるトリニティに、どうしていいか分からずに固まってしまった。
そして追いかけてきた侍女が息を切らしながら此方に走ってくる。
「……お、お嬢様ぁ! こんなところに」
「あらケリー、どうしたの?」
「コンラッド様も走るの早すぎですぅ! 途中で見失っちゃうし、ケリーもう疲れちゃった」