悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜





フローレス家に引き取られて早数ヶ月……コンラッドは思っていた。
あの時は確かにトリニティから好かれたいと思っていた。
家族皆で仲良く過ごす事が出来たのなら、どんなに幸せだろうかと。
フローレス家に引き取られる時に、叶うかどうかも分からない幸せな夢物語を想像していた。
不安もあったが、心の中では新しい家族に期待を寄せていた。
ーーーけれど

「コンラッド~ッ! やっと見つけた! マナーレッスンはどうだった?  何か分からない事はなかった? 大丈夫だったかしら?」
「ト、トリニティ様……」
「『お姉様』」
「えっ……?」
「出来れば『トリニティお姉様』」
「…………あ、あの」
「そして出来れば『トリニティお姉様、僕と一緒に遊びましょう?』で、お願い出来るかしら」
「……」
「コンラッド、貴方は一度言えば出来る賢い子……そうよね?」

見えない圧がどんどんと此方に迫ってくる。
トリニティの恐ろし過ぎる表情を見て頷いた。

「ト……トリニティ、お姉、様。あの……僕と、一緒に遊びましょう?」
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