【電子書籍化決定!】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
そしてトリニティ・フローレス。
さすがイザベラとマークの娘というだけあり、溺愛力がとてつもなく高い。
侍女のケリーと共に、溺れてしまいそうな程の愛をくれるのだ。
そんなトリニティは『エルナンデス王国の天使』と呼ばれる程に愛らしいのだが、コンラッドを愛でるのに忙しいのか自分の価値をまるで分かっていない。

そしてフローレス家の三人は、自分を中心に団子のようにギュウギュウになって抱きしめ合っていた。
ケリーが嬉しそうに此方を見ている。
想像していた斜め上をいくフローレス家……。
そんな人達に囲まれながら思っていた。

(どうしてこんなに愛されているんだろう……)

幸せ過ぎる毎日は嬉しい反面、怖くなってしまう。
そんな不安を吹き飛ばすように、トリニティのブラコンっぷりは拍車をかけていく。
だいぶ前からトリニティの溺愛を全面的に受け入れていた。
抵抗したところでトリニティに敵わないのだ。
ずっと『トリニティお姉様』と呼んで欲しいと言われていたが恥ずかしくて呼べなかった。
つい先ほど、此方が折れるような形でやっと決着がついた。
自分の容姿は特段可愛い訳ではない。

トリニティの方がこそ『可愛い』が似合うのではないだろうか。
本人は落ち着いた髪型やメイク、シンプルなドレスを好む為に全体的に中和されているが、トリニティに似合うドレスを着れば天使といっても過言ではない。
< 60 / 250 >

この作品をシェア

pagetop