月下の君には秘密です。


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『井上 遥』さん、


俺は君が好きでした。

いいえ、
今もまだ好きです。


でも、
君には何も告げません。


君が悲しむのは、
俺が見たくないから。

君が傷付くのは、
絶対見たくないから。


俺は今少し
悲しいけれど…。


君が笑うなら、
俺もきっと笑うから…。



多分…
ずっとずっと
俺は出来る限り君の傍に居て、

ずっとずっと
想い続けるんだと思う。


でも、
『俺の物になって欲しい』
とは思わない。


もう君の中で

俺は『大切な存在』で、
君の『一部』なんだって、

知っているから…。


なんか、
それがとても特別で、
最高に嬉しい事なんだって思ったんだ…


だから
俺は、もう充分です。


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