【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「……必死?」
「実は言うとね、今本社に戻してもらえるように上に掛け合ってる所なの。……きちんと結果を出せば、本社に戻してもいいって、上が言ってくれてるから」
俺はコーヒーを飲みながら「そうなのか」と呟く。
「でもどうだろう。もう戻してもらえないかもしれない」
悲しげな表情でマグカップに視線を向ける和佳奈に、俺は思わず「どうしてだよ?」と聞き返してしまう。
すると和佳奈はマグカップから手を離し、俺に「私……本社にいた時、会社の上司と不倫してたんだよね」と言った。
「え……不倫?」
和佳奈が、上司と不倫……。そんな話は信じられないし、信じたくはない。
「それが会社と上司の奥さんにバレちゃって、ここに異動させられたんだよね」
和佳奈は切なげに微笑むと、俺に向かって「加瀬くん、もしかして軽蔑した?」と聞いてくる。
「……いや、別に」
「そっか。……だからね、私が本社に戻るためには、もっと業績を上げなきゃならないんだよね」
和佳奈の話では、今度三号店となる店舗を出すらしいのだが、その三号店でうちのインテリアを取り扱いたいらしいのだ。
名の知れたインテリアを取り扱えば、さらにお客さんが増えると予測しているらしい。