【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「あ、ごめん。こんな話して! 仕事の話しなきゃね」

「あ、ああ。……そうだな」 

 それからは仕事の話をしたが、和佳奈は昔と変わらない笑顔で笑っていた。

「じゃあ俺は帰るよ。またな」

「うん、今日はありがとう。 気を付けてね、加瀬くん」

「ああ、ありがとう」

 和佳奈に見送られ、俺は会社へと戻った。




✱ ✱ ✱


「あ、千歳、おかえり! 戻ってたの?」

 会社に戻ると、たまたま妻である桃子が打ち合わせを終え、会議室から出てきた所だった。
 
「ああ、今戻って来た所」

「そっか。お疲れ様」

 桃子の顔を見ると、やっぱり安心する。好きだなって思う。

「おう、ありがとな」

 桃子の頭を撫でると、桃子は嬉しそうに微笑む。俺はそんな桃子の笑顔が大好きだ。
 桃子がそばにいるからこそ、俺はこうして幸せでいられる。

「桃子、お前の顔見ると、やっぱ安心する」

「なに? 急にどうしたの?」

 桃子は俺を不思議そうに見上げる。 そんな桃子が可愛くて、つい見惚れてしまう。

「千歳、どうかした?」

「……いや、何でもない」

 俺は桃子に「じゃあ、また後でな」と手を振りその場から立ち去った。



【千歳SIDE】
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