【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「今流行ってるだろ?交際ゼロ日婚」

「え? 流行ってる?」

 流行ってるとか、聞いたことないけど。

「今普通だろ?交際ゼロ日婚」

「いや、普通ではないと思うけど」

「普通だよ、普通」

 なんて会話をしていると、バスが到着した。

「来たな」

「うん」

 二人でバスに乗り込み、目的のショッピングモールへと向かう。

「桃子、ショッピングモールでなにを買うんだ?」

「新しいベッドシーツと枕カバー。それから、新しい洋服」

「ふーん。後結婚指輪か」

「……別に、結婚指輪はまだいいよ」

 と言ったものの、千歳は「買うんだよ」と聞かない。

「結婚してからでもいいよ、別に」

「早く買うに越したことはないだろ」

 いや……まあ、それはそうなのだけど。

「とにかく、結婚指輪は俺がプレゼントしてやる。黙ってもらっておけ」

 ちょっと強引な千歳に、私は折れるしかないと思った。

「わ、分かったわよ。……好きにすれば」

 なんでこう、千歳っていつも強引なんだろう。 でもそういう強引な所も、千歳らしいと言えば千歳らしい。

「言われなくても、好きにするさ」

「じゃあ一番高い結婚指輪にするね」

「おい」
< 38 / 210 >

この作品をシェア

pagetop