【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
□ムカつくけど、ずるい夫

新居での生活



「桃子」

「あ、北山くん」

 千歳と結婚して、あっという間に一ヶ月が経った。 

「お疲れ」

「お疲れ様」

 北山くんは千歳のいない所で、こうやって時折話しかけてくる。

「千歳と、ほんとに結婚したんだ?」

「う、うん。したよ」

 北山くんは未だに、私と千歳が結婚したことを不思議がっている。

「桃子、今幸せなの?」

「……まあ、幸せだよ?」

「へぇ……。そっか」

 北山くんは未だに納得してないのだろうな。私と千歳が交際期間もなしに結婚したことを。

「北山くんは……どう?最近」

「別に普通かな。 まあ、相変わらず彼女はいないけど」

「……そっか」

 北山くんは私を好きでいてくれていたから、北山くんにもいつか幸せになってほしいなぁと、思っている。

「最近残業多いみたいだな、千歳」

「あ、うん。忙しいみたいで」

 そう言った私に、北山くんは「へぇ。……まあ、もし千歳ともしケンカしたら、話くらいは聞いてやるよ」と言ってくる。

「あ……ありがとう」

 なんか北山くん、すごい千歳のことライバル視してるんだよね……。
 そもそも千歳とあまり仲良くないし、それも同期だからこそかもしれないけど。
< 62 / 210 >

この作品をシェア

pagetop