【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜

 
 旦那様とか……恥ずかしすぎる。

「じゃあ今日は俺に任せておけよ、奥様」

「お、奥様……!」

 奥様だなんて……恥ずかしいっ!

「買い物していかねぇとな」

「なに作ってくれるの?」

「そうだな。俺の得意料理かな」

 へぇ〜、得意料理。 なんだろ?得意料理。

「千歳の得意料理なに?」

「なんだと思う?」

 えっ、まさかの質問返し……?!

「質問に質問で返すとかずるくない?」

「そうか?」

「うん、ずるい」

 千歳のヤツ、まさか私の質問に答えない気?

「じゃあ一つヒント出してやるよ」

「ヒント?!」

 なに、ヒントって! そのまま教えてし!

「ヒントは、和食だ」

「和食?」
 
 なるほど、和食……。和食というと、魚系かな? それとも肉じゃがとか?
 
「そう、和食。当ててみな」

「和食とか、色々あって難しいじゃん」

「そうか?」

 近くにあるスーパーに立ち寄り、カゴを手に持つ私は「そうだよ」と答える。

「材料見たら、分かると思うけどね」

「ほんとに?」

 疑う私に、千歳は歩きながら「ほんとに」と答える。

「じゃあ、頑張って当てるね」

 そのままカゴの中に、夕食の材料を入れていく千歳。
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