君を愛せないと言った冷徹御曹司は、かりそめ妻に秘めた恋情を刻む
「……もうおなかいっぱいです。郁人さんってこんなに甘々だったんですね」

「自分でも驚いている。これから毎朝みちるに手ずから食べさせるというのも悪くない」

毎朝だなんて、私はこれからどうなってしまうのだろう?

ドキドキハラハラした。

「そんなことしていたら、お仕事に遅刻します」

できる妻っぽく、ビシッと指摘してみた。

しかし私の胸の内などお見通しなのだろう。

郁人さんは笑みをたたえている。

「たまには遅刻してもいい。これでもかというくらい、みちるを甘やかしたいんだ」

口づけられ、そのまま抱き上げられて、一直線にベッドへ連れていかれる。

「わっ、郁人さん?」

「おなかいっぱいなんだろ?」

「そうですけど……」

「もう少しだけ触らせて」

かわいくてしかたがないとでもいうように、首筋にキスを落とされる。

もう少しだなんて言葉だけで、朝からたっぷり彼に愛された。


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