センセイとわたしのただならぬ関係
 先生は続けた。

「さっきは……嬉しかったよ。梅谷も俺を好きだって言ってくれて。だから本音をいえば、このまま、どっかに(さら)って行きたいところなんだけど……」

「攫ってほしいです。わたしも」

 先生は腕を離して、わたしの顔をじっと見る。 

「先生……?」

「そんなこと、言うなって、梅谷。俺がどれだけ必死に理性を保とうとしてるか、ちゃんとわかってる?」
「理性……?」

 もう、わけがわからなくなってきた。
 絶対に片想いで振られると思っていた相手に告白されるなんて。

 想定外すぎて、わけがわからなくなっていた。

「梅谷……大丈夫か?」
「えーと、嬉しすぎて、頭がぼーっとしちゃって」

 その少し焦点の合わない目で先生を見ると、先生は眉間に皺を寄せて、それから天を仰いだ。
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