まもなく離縁予定ですが、冷徹御曹司の跡継ぎを授かりました
寝る、と一言だけ言ってあっさり横になってしまった背中を見てゆっくり体を起こし、この中途半端に置き去りにされた感情をどうすればいいのか分からずに戸惑っていた。
「そちらこそ。もうお仕事ですか」
昨日の記憶をぼんやり呼び起こしながら鏡に映った寝起きの自分と対面し、髪を整えながら場所を移動した。
「ああ、今日は大事な会議があって多分夜は遅くなる。食事は先に済ませていい。身の回りのことは家政婦をつけておいたから君はゆっくり過ごしていればいいよ」
出会った時からタブレット片手に仕事をしている姿しか見てこなかった。何も知らずに嫁いできた手前聞きたいことはたくさんあるのに、これから彼とゆっくり話す時間なんて訪れるのだろうかと胸のあたりがもやもやした。
「じゃあ行ってくる」
「あの!」
咄嗟に声を出している自分がいた。彼は腕時計で時間を気にしながら不思議そうにこちらを振り返る。でも考えなしに引き留めていたことに気づいて言葉に詰まった。
「そちらこそ。もうお仕事ですか」
昨日の記憶をぼんやり呼び起こしながら鏡に映った寝起きの自分と対面し、髪を整えながら場所を移動した。
「ああ、今日は大事な会議があって多分夜は遅くなる。食事は先に済ませていい。身の回りのことは家政婦をつけておいたから君はゆっくり過ごしていればいいよ」
出会った時からタブレット片手に仕事をしている姿しか見てこなかった。何も知らずに嫁いできた手前聞きたいことはたくさんあるのに、これから彼とゆっくり話す時間なんて訪れるのだろうかと胸のあたりがもやもやした。
「じゃあ行ってくる」
「あの!」
咄嗟に声を出している自分がいた。彼は腕時計で時間を気にしながら不思議そうにこちらを振り返る。でも考えなしに引き留めていたことに気づいて言葉に詰まった。