イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
「もう少し話さない?」

今日は長い時間一緒にいたけれど、別れがたいと思うのは私も同じ。

ひまりを起さないように小さな声で話しかけてきた彼に「うん」とうなずき、助手席のシートに座り直す。

「こうして面と向かって話すのも久しぶりだね。クリスマス以降、まともに口を利いてくれないし目も合わせてくれないから寂しかったよ」

彼が憂いを帯びた表情で、私の手を握って指を絡ませる。

私の独りよがりで、宗ちゃんを傷つけてしまったのだと思うと胸が痛い。

「ごめんなさい」

お詫びの気持ちを込めて、運転席に座る彼に顔を寄せると頬に短いくちづけを落とす。

まさかキスされるとは思ってもみなかったのだろう。宗ちゃんが切れ長の目を見開いたまま、私をじっと見つめている。

冷静な彼が放心するほど驚くのは珍しい。

思わずフフッと小さな笑い声を漏らすと、彼がはにかんだ表情を浮かべた。

「あかりちゃん、愛しているよ」

「私も」

助手席に身をのり出してきた彼と、三カ月の空白を埋めるように唇を熱く重ね合わせた。
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