婚約破棄したい影の令嬢は
「それにこの間なんて、婚約破棄をしていいなんて強がってはいたが、結局最後は必死に頼み込んで来たんだ!どうしても俺が婚約者でなければ駄目らしい」

「でも心配だわ‥もし呪われでもしたら。仮にもアールトン家よ?」

「‥あれは御伽噺さ。こんな扱いをしていたって何も起こらないしね。それに彼女は俺の言いなりさ」


それはフィリップが家族の話を出してディアンテを脅すからだ。
ポジティブすぎる解釈に、怒りを通り越して呆れてしまったディアンテは溜息を吐いた。

ディアンテはメロディを守りたかっただけなのだが、何故そんな風に考える事が出来るのだろうか‥。
理解不能な思考回路に、さすがにディアンテは頭を抱えた。



ふと、周囲を見渡してサムドラ家の侍女の姿を探した。
もう侍女の姿は見当たらなかった。

(何だったのかしら‥)
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