婚約破棄したい影の令嬢は
伯爵家であるティファニーにとっては公爵家であるフィリップは結婚相手として申し分ないだろうが、そこでアルフレッドの名前が出てくるとなると‥。

(随分と野心家なのね‥)

仮にティファニーの目指している場所がもっと上だとするのなら、恐らくフィリップを踏み台にするつもりなのだろう。


「‥そ、そんな事よりも今度買い物に行かないか?君に似合いそうなドレスがあるんだ」

「本当‥!?さすがフィリップ様、他の方とは格が違いますわ!」

「ははっ、そうだろう?美しい君のためならいくらでも」


話が逸れてしまった為、もうこれ以上は聞かなくてもいいだろう。

フィリップが幸せを掴んでくれそうで何よりだ。
つまり公爵家の事業を安定させたら、サムドラ公爵はディアンテを手放してもいいと思っているという事だ。
それに"婚約破棄"という明るい言葉をフィリップから聞けたのでディアンテの未来も明るい事だろう。

(さて、あと少し頑張りましょう)

ディアンテは音を立てないように、こっそりとその場を抜け出してから軽くスキップしながら歩いて行った。
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