婚約破棄したい影の令嬢は
フィリップがディアンテを迎えに来るわけもなく、ディアンテは一人で馬車に乗り込んだ。
気分が良かった事もあり、いつもよりは少し明るめなドレスを着ていた。

上手くいけばディアンテの我慢がもうすぐ報われる。

会場に着いてもフィリップの姿はない。
キョロキョロと辺りを見渡しても、やはり見当たらない。
ディアンテはドキドキと煩く音を立てる心臓を押さえていた。

(やっぱりティファニー様と中に居るみたいね‥いつ婚約破棄されるのかしら。贅沢を言うなら静かにして婚約破棄を告げて欲しいけれど‥)

次々にパートナー、または婚約者と共に会場の中へ入っていく卒業生達。

万が一、ディアンテが待っていなかった場合、フィリップは煩く騒ぐのでディアンテは影でひっそりと待っていた。
最後まで待っていたが、やはりフィリップは姿を現さなかった。

周囲に気づかれないようにススッ‥とディアンテは一人で会場に入る。
影の令嬢の名は伊達じゃない。
ディアンテは誰にも気付かれることなく会場へと入る。
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