婚約破棄したい影の令嬢は
「ーーー死ぬの?」

「‥!!?」


耳を澄ませなければ聞こえないほどの小さな声だった。
けれど、あの時の少女の声だとすぐに分かった。

フィルズは必死に少女を探したが、少女は何処にも見えなかった。


「僕は、まだ死なないよ‥」

「‥‥」

「今日は、お別れを言いに来たつもりだった」

「‥‥」

「でも、もし君に会えたら伝えたい事があったんだ‥!」

「‥‥」

「どうか、僕と‥」


フィルズは次に少女に会えたら言おうと決めていた。
返事が貰えなくても良かった。
でなければ一生、後悔すると思った。


「僕は何もかもを捨てて、君と歩みたい‥!!ずっと君の事が好きだった!!」


彼女の手を放してしまった事を、ずっと後悔していた。


「何度も諦めようと思ったでも無理だった‥‥君の事がどうしても忘れられないんだ!!」
< 56 / 82 >

この作品をシェア

pagetop