婚約破棄したい影の令嬢は
ーーカサッ


フィルズの声に反応する様に、草が動いた。
フィルズは急いでその場所に向かった。
草を掻き分けると‥。


そこには、あの日と何も変わらない姿の少女が立っていたのだ。


「ーーやっと会えた」


フィルズの頬に涙が零れ落ちた。
再び少女に会えた喜びで胸が熱くなった。

フィルズは少女をずっと、ずっと抱きしめていた。
名前を聞くと、少女は小さな声で「‥アイネ」と呟いた。











フィルズは街を出た。
そして、アイネも森を出た。

2人は手を取り合って、遠い遠い村でひっそりと暮らしていた。
毎日がとても幸せだった。

そんな2人の元に次々に舞い込む幸運。
十数年後にはフィルズは国を建国した。
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