婚約破棄したい影の令嬢は
アルフレッドの言葉に周囲はざわざわと騒ぎだす。
いつの間にかアルフレッドの話に皆、耳を傾けていた。
突然現れた謎の御令嬢に会場の視線は釘付けだった。


「彼女は、その婚約者の家族にも蔑ろにされていたようなんだ‥」

「こんな美しい御令嬢を虐げていたなんて信じられない‥!なんて愚かな奴等なんだッ!」

「本当にね‥この国から消してやりたいくらいだ」


アルフレッドの怒りが滲む言葉に、フィリップは生唾を飲み込んだ。


「彼女を助け出せて本当に良かったな‥!」

「あぁ‥」

「そんな下劣な奴等の顔を是非拝みたいものだな」

「すぐに会えるさ‥」

「え‥?」


フィリップがアルフレッドに言葉の意味を尋ねようとした時だった。


「それより以前の婚約者には謝罪をしたのかい‥?」

「それは‥」

「随分と酷い事をしたみだいだけど」

「別にあの女に謝る事などないさ。今も何も言ってこないし大丈夫だろう!それに妖精の呪いなど下らない噂話さ」

「ふーん、そう‥」

「それよりも‥正式な発表はいつするんだ?」

「準備が整い次第、すぐにでも‥」

「お名前を伺っても宜しいでしょうか‥御令嬢」


フィリップが声を掛けると、ビクリと肩を震わせた謎の令嬢。
そんな姿も庇護欲を誘う。
誰もがその令嬢の名前を知りたがった。

アルフレッドが腰を抱き妖しく微笑んだ。


「自己紹介してくれ‥」

「‥‥」
< 71 / 82 >

この作品をシェア

pagetop