婚約破棄したい影の令嬢は
何故、そんな事をアルフレッドが知っているのか‥‥その理由は今はどうでも良かった。
アルフレッドの言葉に対してフィリップは「誰がそんな酷い事を‥!っ、可哀想に‥」と言ったのだ。

『その婚約者の家族にも蔑ろにされていたんだ‥』

つまりディアンテに酷い扱いをしていたのは、フィリップとフィリップの家族‥‥サムドラ公爵家を指す。

そしてフィリップは「こんな美しい御令嬢を虐げていたなんて信じられない‥!なんて愚かな奴等なんだ」と。

何も知らないフィリップはペラペラと自分の愚かさを自分で責め立てていたのだ。


「ーーーッ!!」


フィリップは呆然と立ち尽くす。


「‥‥そ、んな‥嘘だ」


目の前の現実を受け止め切れないのだろう。
ガクガクと震えるフィリップの足は今にも倒れてしまいそうだ。

そんなフィリップを見て、アルフレッドは続けた。


「ありがとう、フィリップ」

「‥‥ぇ?」

「君が婚約破棄してくれたお陰で、僕はディアンテと婚約する事が出来た」

「なっ‥‥何故、そんな‥」

「あぁ‥僕の愛が重たすぎたみたいで、ディアンテは僕から隠れていたんだ」

「‥ッ」

「もっと早く気付けていたら、救い出して守ってあげられたのに‥」

「‥‥‥っ、」

「その婚約者の男は最悪な奴でね?こんなに素晴らしいディアンテに暴言を吐き、罵って‥‥なんと卒業パーティーで手を上げたんだ」

「や、やめてくれ‥ッ」

「やめるわけ、ないだろう‥?」

「ヒッ‥!!」


ガタン‥という大きな音とともにフィリップは尻餅をついた。
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