婚約破棄したい影の令嬢は
ーーーそして



「‥‥さようなら」



そう一言だけ吐き捨てて、踵を返すとアルフレッドの手を取り歩き出した。







「ディア、これだけでいいの?」

「だってアルやラシードお兄様が十分やってくれたもの‥スッキリした気分だわ」

「そう‥ならいいんだ」

「本当は紅茶を頭からかけてビンタしてあげたかったけど」

「今から行く?」

「ふふ‥アルの呪いは怖いわね」

「ディアの為だからね」


ディアンテはアルフレッドを見てニコリと微笑んだ。
身を寄せ合いながら馬車へと乗り込んだ。


「また君に会えた事、嬉しく思うよ」

「ねぇ‥アル。あの時、なんであんな事を言ったの‥?どうしてわたくしが、貴方に魔法を掛ける事を知っていたの?」

「またその話かい?」

「だって、気になるもの‥」

「‥‥。なら、その話は帰ったらしてあげよう」

「アル‥」

「引かないって約束してくれる?」

「昔の話だもの、時効よ」

「安心して話せそうで良かったよ」
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