初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
「キャルが私を救ってくれたのですね?」

「妹は貴女をお慕いしているだけですよ」


朝、顔を合わすとまず、私を抱き締めてくれる
キャルの温かさを私は思い出しました。
彼女の温かさが私を救い、周囲の悪意や憎悪から護ってくれていたのだと、初めて知りました。


そんなキャルのお兄様だったら。

私の心を重くしている事をお話してくださるかもしれません。
この御方が仰った事なら、私は信じられるような気がしました。


「何故、殿下はお茶会と称されて、あのように
私に教えようとされるのですか?」

「何がお知りになりたいのですか?」

「私はたかが、カステードの伯爵の娘です
 王家も、クリスティン様も、ノーマン様を
通してしか関係ございません
 被害者だから、そのような理由から皇太子殿下が私のお相手をされるのは……」


途中で、エドガー様の表情が明るくなり、微笑みを見せられました。


「その事なら、お答え出来ます
 秘密も何も有りませんから」
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