初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
「自業自得というやつだから、君が気にすることはない
 と言っても、君は気にしてしまうだろうから
教えるけれど、ノーマンは今は王都から離れて、違う町でそれなりにがんばっているよ」

「クリスティン様はどうされているのですか?」

婚約者だったノーマン様に対して冷たいのかも知れませんが、
今は彼よりもクリスティン様の事が気になりました。


「公爵に妊娠がばれちゃっただろうしね
 父親の指示で、産まれるまでは何処かに身を
隠してるんじゃないかな?
 無事に出産が終われば、子供は取り上げられてあの女は最果ての修道院にでも入れられるだろう
 さすがに修道院にまで、監視をつけようとは
思っていないよ
 ……選ばれし赤ん坊だ、大事にされるだろう」


殿下は。
この御方は。
クリスティン様が何処にいらっしゃるのか
ちゃんとわかっている。
でも私には教えない。
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