聖女様と老執事
 クリスティアル王国は豊かな国だった。
 水が綺麗でいい土に恵まれ、更には鉱山まである。四方を豊かな森に囲まれ、農業、鉱業、林業とも大陸一を誇っていた。
 だから、加減ができなかったのだろう。豊かな生活をもっともっとと追い求め、木を切り尽くし、山を崩した結果、川は汚れて土地は痩せた。
 流石にこれではまずいと国は植林を始めた。
 その肥料に、植物を急成長させる鉱物を混ぜたのが致命的な失敗だったのだ。
 
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