【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「なあ、グル。このファーレズに住む人たちは、サーティーアの人より魔力が低くないか?」

 そのグレの言葉にグルはコクリと頷き。

「かもな。サーティーアだとアルベルトの様にまれに見える人がいる。国によって魔力のあるなしが激しいのかもな……これならすんなり計画が上手くいきそうだ」

 グルとグレは周りの人たちを見て、魔力がどうとか二人で話している。話し終えた二人は、今度はエルモをみて首を傾げた。

「兄貴。エルモはファーレズ出身だけど魔力がかなり高いよな。そして、いまはシルワ様のケンゾクで最強にもなったよな」

「ああ、最強だ。いまのエルモちゃんを怒らせ、キレさせると、街をひとつふきとばかすかもな」

 ――私が街をひとつ吹き飛ばす? 

「そ、その話……ほんとうなの?」

「ほんとうの話だ。だが、俺がそばにいるから怖がらなくていい。サーティーアに戻ったら、しっかり魔力の使い方を教えるから」

 怖がっているのがわかったのか、グルは手を握ってくれる。その手の上にもふもふの白い手が乗り。

「お、いいなぁ。オレも手伝う」

「マジ? 結界がうまい兄貴が手伝ってくれるのか? よし、二人でエルモに教えよう」

「よろしく、おねがいします」


「「まかせろ!」」


 二人がいれば安心かも。
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