【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「ハァ、ハァ……家に戻ったらいなかったから。エルモを迎えにいこうと思って…」
 
「わ、私のお迎え? ありがとう、グルさん」
「いいや。エルモ、バイトごくろうさま」

 グルは息を整えエルモの横に並び、両腕にかかえた袋をみた。

「えらく、今日はたくさん貰ったな」

「そうなの、明日はお店が休みだからって、こんなにたくさんのチョコパンと、いろんな種類のパンを貰ったの。食べ切れるかな?」

 そのエルモの言葉にグルは大きく頷き笑った。

「ハハハッ、食いしん坊がここに二人もいるから大丈夫だろう! エルモは明日、バイト休み?」

「うん、お休み」

「じゃあ、明日一日は俺のお手伝いな」

「お手伝い?」

「採取にいっしょに行こう」

 そう言うと、グルはエルモが持つ袋から大好物のチョコパンをとり出してかじる。

 となりから甘く香るチョコの香りに、エルモは我慢できなくなる。

「グルさんずるい。わたしも、わたしも食べたい」

 となりで口を開ける。
 それをみたグルは。
 
「クックク、わかったよ」

 そう笑いながら答え。新しいチョコパンを袋からとらず、かじったチョコパンをエルモの口に入れた。

(え、ちょっ、これって間接キス……? ん―ん、コーヒーの時もそうだったから気にしないのかな?)

「ここのチョコパンうまいな!」
「う、うん、おいしい」
 
「次はどのパンがいいかな? エルモはなに食べる?」

「私は……たまごパン」

「それもうまい」

 グルはそのことに気付いていないみたいで。
 エルモだけが帰り道、ドキドキしていたのだった。



 その夜、寝静まったエルモの隣で「あ、おれあのとき……エルモと…」グルはさっきのことを思い出して、ひとり悶えたのをエルモはしらない。

 顔がアッちぃ。
< 46 / 179 >

この作品をシェア

pagetop