待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
私が黙っていると、兄はそのまま口を開いた。
「ひより……もしかして、結婚したい相手でもいるのか?」
そう言われて、私は言葉に詰まった。
すぐに頭に浮かんだのは、壮一の顔だったのだ。
「いない」
慌てて首を横に振る。
それから、メッセージを思い出した。
――ごめん、もうプライベートで連絡はしないで。誤解されたら困るから。
誤解、か。
きっと私の存在は壮一を困らせているんだろうな。
「相手は俺も知っていて、俺と同じ年だからひよりより12歳上だ。歳は離れているが悪い人じゃないんだ。それだけは保証する。それに――」
兄の言葉も半分以上、耳に入っていなかった。