待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

 私は兄が差し出そうとした見合い写真も見ず、相手がだれかも聞かずにOKを出した。
 兄も父も驚いていたが、喜んでくれていた。

(これでいいよね)

 壮一を好きだと思うまで二年もかかった。
 私はもうきっと誰かを好きだって思うようなことはないだろう。

 なら、いっそどうでもいい人と結婚すればいい。
 兄や父、祖父の大事に守ってきたものを私も少しは守れるような……実家の助けになるような人と結婚してしまったほうがいい。

(壮一のためにも……)

 もしかしたら、それが一番の原因だった。
 私は少し自暴自棄になっていたのかもしれない。

< 26 / 83 >

この作品をシェア

pagetop