待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

 やっとそのお見合いの席が終わるというとき、柑士さんは言った。

「少し、ひよりさんとふたりでお話しをしてもいいですか」
「あぁ、もちろん」

 周りも快諾し、私も彼と話したかったので彼について行った。


「あの、先日は失礼しました。頭……大丈夫でしたか」

 お見合いの席となったホテルの料亭から庭に出て、私がそう言うと、柑士さんは眉をひそめて足を止めた。
 そして私の方をまっすぐ見る。

「3針縫った」
「え……」

 それを聞いて、私の顔は青ざめる。
 しかしすぐに彼は続けた。

「嘘だ。しかし、そういうことになってたらどうするつもりだったんだ。確認もせずに勝手にいなくなるのはよくない」
「ご、ごめんなさい」

 私がしゅん、とすると彼は私の頭を驚くくらい優しく撫でる。

「そういう素直なところはいいな」

 優しい手のひらに、ほっと息を吐く。
 そのなんでも包み込めそうな大きな手のひらは、さすが12歳年上だ、と私に思わせた。
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