待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
「あの、柑士さん」
私は決意して前を向く。
普通だったらこんな話、話そうだなんて思わないだろう。
でも、知っていてほしかった。
これを隠しているのは卑怯だと思ったから。
そして、この人になら話してみようと思った。年齢が上と言うのもあるのだろう。
もしそのうえで結婚していいと思ってくれるなら、この人と結婚しようと思ったんだ。
「私には、好きな人がいました。正直今も……好きです」
「壮一?」
「え?」
「あの夜、言っていただろ。『本当に壮一が好きだったし、やっぱり今も好き!』って」
「聞こえていましたか……」
「だから、俺はそれも分かった上で、この話を出しているんだ」
そうはっきり告げられて、言葉に詰まった。
(柑士さんは、私が他の誰かを好きだって気持ちを持ってるってちゃんとわかってくれているんだ……)