怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
「冬璃さんの好きな紅茶がないので、温かい緑茶でいいですか? 外は寒かったから体が冷えたでしょう」
「でも……」
「大丈夫です。ここには誰も住んでいませんから」
一階の廊下を進んでダイニングに向かうと、そこは私が記憶している風景ではなくなっていた。
使っていた大きなテーブルや、食器棚などの家具がすべて消えている。冷蔵庫などの家電も全部。
その代わり二人用のテーブルと椅子がぽつんと置いてあった。見たところまだ真新しい。
座るように促された私は、その椅子にちょこんと浅く腰をかけた。
「今、お湯を沸かしますね」
久米さんはいそいそと電気ケトルをセットしたあと、湯呑みを準備している。
シンクの隣にほんの少しだけプラスチックケースに入った食器が見えた。
「ここは誰も住んでいないんでしょう? その食器とかケトルは……?」
「私が持ち込みました。私物です」
「久米さんの? それに、どうして電気や水道が通っているの?」
わけがわからずに矢継ぎ早に質問をする私に対し、「順を追って説明しますから」と言って久米さんはお茶を淹れた。
熱々の緑茶が入った湯呑みをテーブルに置いた彼女が椅子に座り、ようやく事の説明が始まる。
「でも……」
「大丈夫です。ここには誰も住んでいませんから」
一階の廊下を進んでダイニングに向かうと、そこは私が記憶している風景ではなくなっていた。
使っていた大きなテーブルや、食器棚などの家具がすべて消えている。冷蔵庫などの家電も全部。
その代わり二人用のテーブルと椅子がぽつんと置いてあった。見たところまだ真新しい。
座るように促された私は、その椅子にちょこんと浅く腰をかけた。
「今、お湯を沸かしますね」
久米さんはいそいそと電気ケトルをセットしたあと、湯呑みを準備している。
シンクの隣にほんの少しだけプラスチックケースに入った食器が見えた。
「ここは誰も住んでいないんでしょう? その食器とかケトルは……?」
「私が持ち込みました。私物です」
「久米さんの? それに、どうして電気や水道が通っているの?」
わけがわからずに矢継ぎ早に質問をする私に対し、「順を追って説明しますから」と言って久米さんはお茶を淹れた。
熱々の緑茶が入った湯呑みをテーブルに置いた彼女が椅子に座り、ようやく事の説明が始まる。