怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
「彼女と腹を割って話して仲直りしたらいいじゃないですか。私には関係ないですけど」
「いや、俺は奈緒と別れて君と付き合いたい。やり直したいんだ」
「…………は?」
彼の発言に心底あきれた私は眉をひそめてうなだれた。
唐突になにを言いだすのだ。私の気持ちは無視なのだろうか。本当にこの人は変わらない。
「私とあなたは付き合ってはいませんでしたよね」
「だけど俺に気があっただろ?」
「それは昔の話で、今は好きでもなんでもないです。それに、私はすでに結婚したので“人妻”ですけど」
彼は一瞬驚きの表情を見せたが、その後ニヤリと笑って首を横に振った。
そんなバカな、とでも思ったのだろう。それが顔に出ていて、ひどく嫌な感じがした。
「いつ結婚したの?」
「あなたが婚約会見をした一ヶ月後くらいに」
「そんな子どもじみたウソは要らないよ。俺は騙されないから。結婚指輪だってしてないだろ。名字も“桃田”のままだ」
たしかに私も束縒も指輪はしていない。
こんなことなら、籍を入れたときに指輪だけは作っておくべきだったと少しばかり後悔した。
憲一朗さんだけではなく、ほかの人たちにも変な夫婦だと思われていたかもしれない。
「いや、俺は奈緒と別れて君と付き合いたい。やり直したいんだ」
「…………は?」
彼の発言に心底あきれた私は眉をひそめてうなだれた。
唐突になにを言いだすのだ。私の気持ちは無視なのだろうか。本当にこの人は変わらない。
「私とあなたは付き合ってはいませんでしたよね」
「だけど俺に気があっただろ?」
「それは昔の話で、今は好きでもなんでもないです。それに、私はすでに結婚したので“人妻”ですけど」
彼は一瞬驚きの表情を見せたが、その後ニヤリと笑って首を横に振った。
そんなバカな、とでも思ったのだろう。それが顔に出ていて、ひどく嫌な感じがした。
「いつ結婚したの?」
「あなたが婚約会見をした一ヶ月後くらいに」
「そんな子どもじみたウソは要らないよ。俺は騙されないから。結婚指輪だってしてないだろ。名字も“桃田”のままだ」
たしかに私も束縒も指輪はしていない。
こんなことなら、籍を入れたときに指輪だけは作っておくべきだったと少しばかり後悔した。
憲一朗さんだけではなく、ほかの人たちにも変な夫婦だと思われていたかもしれない。