怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
連れ立って帰宅すると、束縒がなによりも先に部屋の暖房を稼働させた。
冷え切ったリビングが暖まるまでのあいだに着替えを済ませた私は、キッチンでふたり分の温かい紅茶を淹れる。
「話ってなに?」
ソファーに腰をおろした束縒が私から紅茶のカップを受け取るとすぐ、急かすようにそう尋ねた。
私は苦笑いの笑みをたたえたが、彼の表情は真剣そのものだ。
「今日ね、偶然実家の近くを通りかかったから思い切って寄ってみたの。そしたら、ちょうど中から出てきた久米さんと鉢合わせした」
「…………」
私は単刀直入に話し始めたのだけれど、束縒は無言で視線を泳がせたあとに目を伏せた。
彼にとっては思ってもみない展開だったのか、少なからず動揺しているようだ。
「久米さんから全部聞いたよ。束縒があの家を買い戻してくれたこと」
「そうか、バレたか」
「理由を聞いてもいい? あの家をどうするつもりだったの?」
父が勝手に売却してしまって私がかなり落ち込んでいたから、それが大いに関係しているのは想像できる。
だけど私が悲しんでいたという理由だけで、苦労して買い戻したりするだろうか。大枚をはたいてまで。
冷え切ったリビングが暖まるまでのあいだに着替えを済ませた私は、キッチンでふたり分の温かい紅茶を淹れる。
「話ってなに?」
ソファーに腰をおろした束縒が私から紅茶のカップを受け取るとすぐ、急かすようにそう尋ねた。
私は苦笑いの笑みをたたえたが、彼の表情は真剣そのものだ。
「今日ね、偶然実家の近くを通りかかったから思い切って寄ってみたの。そしたら、ちょうど中から出てきた久米さんと鉢合わせした」
「…………」
私は単刀直入に話し始めたのだけれど、束縒は無言で視線を泳がせたあとに目を伏せた。
彼にとっては思ってもみない展開だったのか、少なからず動揺しているようだ。
「久米さんから全部聞いたよ。束縒があの家を買い戻してくれたこと」
「そうか、バレたか」
「理由を聞いてもいい? あの家をどうするつもりだったの?」
父が勝手に売却してしまって私がかなり落ち込んでいたから、それが大いに関係しているのは想像できる。
だけど私が悲しんでいたという理由だけで、苦労して買い戻したりするだろうか。大枚をはたいてまで。