怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
 束縒はいつもこうだ。私の知らないところで、たくさんの思いやりと愛情を注いでくれている。


「泣くなよ。好きな女をよろこばせたくて俺が勝手にしたことなのに」

「束縒……」

「言っとくけど離婚する気はないからな。白状する。最初から……俺は偽装結婚のつもりじゃなかった」


 私たちは横並びでソファーに座っていたが、束縒はこちらに体の向きを変えて真っすぐに私の瞳を捉えた。
 熱を帯びたような視線を送られれば、私の涙が次第に止まっていく。


「じゃあ……どうして私と結婚したの?」

「好きだからに決まってるだろ」


 束縒が右手を伸ばして、私の頬を伝った涙の筋を消すように親指で拭う。


「俺は冬璃を愛してる」


 束縒に触れられている頬が熱い。
 そんな甘い言葉を耳にしたら胸が痛いくらいキュンとなって、今度はうれし涙があふれてきそうになる。


「私も。束縒が好き」


 私はいつの間にか束縒に恋をしてしまったみたい。
 これはただの幼馴染に抱く感情ではない。まぎれもなく恋愛愛情だ。
 それを自分で認めて彼に伝えれば、頭を引き寄せられてキスをされた。
 唇がかすかに離れ、私たちは至近距離で見つめ合う。

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