怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
 しばらくぼんやりとしていたら、玄関の扉が開く音がした。束縒が帰ってきたようだ。


「おかえり」

「ただいま。……どうした?」


 急に我に返った私を見て、束縒が不思議そうな表情で尋ねてくる。


「飯、食った?」

「ううん、まだ」

「じゃあデリバリーを頼むか。俺、ピザが食いたい」


 束縒は私の向かい側のソファーに腰を下ろし、スマホをイジり始めた。

 私はその行動に呆然としてしまった。
 食事はそれぞれ自由にと提案してきたのは、束縒のほうだからだ。
 しかも、昨日話したばかり。正直なにを考えているのかわからない。


「一緒に食べていいの? 自分のことは自分でって言ってたでしょ」

「あれは、作らなくていいって意味で、一緒に飯を食わないとは言ってない」


 ……なんだそれ。
 どのピザがいいか聞かれたが、私は「任せる」とつぶやき、シャワーを浴びるためにリビングを出た。

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