太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
昼間のティアラと夜のティアラは全くの別人である。
それこそ天と地の差だ。

無表情で淡々としている性格は全く変わらないが、一言で言い表すのなら昼間はゾンビ、夜は女神なのである。

控えめに言ってもティアラは本当に美しい。

実際、王城で彼女の姿を見た人は護衛服を着てるにも関わらず『月の妖精』『月の女神』と呼ばれている。


「そうじゃないんだ……マジェスト」

「…………!」

「あの子は強すぎる……今、相手を探さねばずっと一人でいるような気がするのだ」


珍しくキリッと真剣な表情を浮かべるシシナードに息を呑んだ。

誰よりも強いが故の孤独……脈々と受け継がれている呪いは今もフルムーン家の当主達を苦しめている。


「幸せになって欲しいんだ、ティアラには」

「シシ爺……」

「そして国の為に、己の為に呪いを解いて欲しい」


シシナードはそっと目を伏せる。


「……悪かったよ、シシ爺」

「おうよッ!そんじゃあ後は頼むぞ、マジェスト!しっかりティアラを支えろよ~」

「あっ、おい!シシ爺……ッ」


一瞬で声色が明るく変わったシシナードは、るんるんとスキップをしながら去って行った。
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