太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
マジェストの祖父も父も、今までずっとフルムーン家の当主であるシシナードにブンブンと振り回されてきた。
こんなにヘラヘラしていてもふざけていても、彼は最強の戦士なのだ。

スター家に嫁いで来るものは皆、口を揃えて言う。

そんな尻拭いみたいな事をしなくていい。
いつまでも縛られて馬鹿みたい、と。
けれどスター家の血を継ぐものは、フルムーン家に惹かれてしまう。

"魅せられている"

その言葉に尽きるだろう。
夜、月明かりに照らされて圧倒的な強さで敵を薙ぎ倒していく姿に見惚れない者などいない。

その姿に焦がれずにはいられないのだ。

(……はぁ、明日も頑張るか)

再びため息を吐いて公爵家の馬車へと乗り込んだ。







天気予報は今日も晴れ。

肌を露出しないように完全防備。
水をかけられてもいいように着替えも二セット持った。
鞄やら何やらは面倒なので、ボロボロのままである。

そして珍しくマジェストの姉であるリンナが付き添っていた。


「……リン姉、朝から何してるの?」

「シシ爺がそろそろ頃合いじゃないかって言うから、一緒に登校中よ」

「…………ふーん」

「あら、詳しく聞かないの?」

「お祖父様の指示だから」

「相変わらず真面目ねぇ……ティーちゃんのそんなところが可愛いんだけど」
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