太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜


生まれてから武道を極めるのに忙しかった自分にとって、ぬいぐるみは無縁のものだ。

(ぬいぐるみって、ふかふかしてるんだ……)


「わたくしの大切なものだから、昼休みまで貸してあげるねぇ」

「??」  


何故それを今このタイミングで渡すのか。
そして何故宝物を預けるのか、何も分からないままクマのぬいぐるみを見て頷いた。


「ティーちゃん、我慢し過ぎはダメよ?じゃあね、ばいばーい」

「…………?」

「ウフフ、また後でね」







そして今日も面倒な一日が始まったのだった……と思いきや、いつもより大分静かに過ごせている。

折角着替えの予備も持ってきたのに水が降ってくる事もなく、足を引っ掛けられて転ぶこともなかった。

(平和だなぁ……)

恐らくリンナと一緒に歩いていたのを見た御令嬢が、此方の様子を伺っているようだ。
それとマジェストの冷めた態度が一転して、身の回りの世話をし始めたのも大きいだろう。

いつもは五月蝿いミストとセスも見かけない。
そして絡んでもこない。
リンナの言葉を聞くに自分達の役割が終わったのだろう。

シシナードの指示ということもあり、拒否することもなく大人しくしていた。
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