太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
そして何事もなく静かに昼寝が出来て快適な時間を過ごしていたが、昼ごはんを食べてから教室に帰ってくると、自分の机が荒れていることに気づく。
(……今日も始まった)
いつものように机に落書きがされて、鞄の中のものがこれ見よがしに外に出されていた。
ボロボロのペンケースや教科書、鞄もいつもの事だ。
けれど一つだけ、いつもと違うものがあった。
「ぁ……」
それはリンナから預かっていたクマのぬいぐるみである。
椅子を引いた時に床に転げ落ちたクマのぬいぐるみが、刃物か何かでズタズタに引き裂かれていた。
リボンもバラバラになっており、可愛かったぬいぐるみは見るも無惨な姿だ。
(リン姉から預かった宝物が……!)
目を見開いて動きを止めた。
珍しく反応を示した事が面白く感じたのだろう。
周囲からはクスクスと笑い声が聞こえてくる。
「クマのぬいぐるみなんて鞄に入れてどうしたんだ??似合わねぇな」
「ほんと!笑っちゃうわ」
「マジで気持ち悪いよなぁ」
引き裂かれていたぬいぐるみを震える手で持ち上げた。
いつも下らない嫌がらせをしてくる令息と令嬢を静かに睨みつける。