屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

暴いて


変なとこない…よね?



大丈夫…だよね??



鏡の前でくるりと回って、頭のてっぺんからつま先まで要チェック。



「…うん、完璧!」



独り言をこぼしながら、鏡に映った私が笑っている。



廿楽くんに告白されたあの日から3日が経ち、実は今日初デートなんです。



「って、もうこんな時間…!?い、行ってきまーす!」



急いで玄関のドアを開けて、なるべく早く歩き出した。



これ、やっぱり歩きにくい…!



何歩か歩いただけで、早歩きは無理だと悟った。



カランコロンと可愛らしく鳴る足元。



さっきまでのウキウキした気分は、少し遠ざかっている。



私が今履いているもの…それは、下駄だ。



そして、身にまとっているものは浴衣。



もうお気づきだとは思うけど…。



何を隠そう、今日は花火大会デートなんです!



3日前のあの日の後、廿楽くんが家まで送ってくれると言うからお言葉に甘えた。
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