爪先からムスク、指先からフィトンチッド
「じゃあ、最初からやり直すか。付き合ってほしい。今度こそ、恋人としてだ」
「ほ、ほんとに?」
「嘘じゃない」
「は、はい」
「良かった。ついでに色々誤解を解いとかないとな。こっちにおいで」
いつも通りに落ち着いた薫樹は夢を見るような表情をしている芳香の手を取り寝室へ連れていく。
「え、あの」
動揺する芳香を横たわらせ靴下を脱がせ、ボディーシートで親指から小指まで一本一本丁寧に拭き、土踏まずから踵まで綺麗に拭きあげた。
「どうやらマッサージだと思われていたようだから、はっきり愛撫だということを理解してもらっておかないと」
「え、あ、ちょっ」
「今日こそ寝かさない」
薫樹が優しく足の甲に口づけする。足首までチュッチュとキスを施し、舌を這わせ始めた。
「あ、ひゃっ、やっ」
ぞくぞくしながらも芳香は快感を得る。そして薫樹の指先から漂う木の香りを愉しんだ。爪先からの快感と指先の香りでリラックスしながら芳香は思う。
(やっぱり、この人って変わってる……。恋人になったらほんとは足じゃなくて唇にキスするものよね……)
常軌を逸している彼との付き合いは凡人の芳香にとってどんなものになるのか全く予想がつかず不安は大きい。しかし匂いが人それぞれのように恋愛の形も様々なのだろうと、しびれるような感覚に身をゆだねることした。
18 やり直し
「芳香、芳香! 起きて」
「ふぁ? へ、ああ……」
(やばい。寝てた……)
薫樹の顔が目の前に迫っている。芳香は慌てて身体を起こした。
「ご、ごめんなさい。どうしても足を触られると眠くなってしまって……」
「ふう……。どうしたらいいんだ」
「あ、あの。下からじゃなくて上から普通にしてもらえたらいいかと思うんですが」
「上から?」
「ええ……」
「普通に……か。わかった。どうすればいいか言ってくれ。ついつい君の匂いを嗅ぎたくて足に行ってしまう。こういう経験がないからどうすれば君が喜ぶのかわからない」
「わ、私も経験がないのでどうしたらいいかわからないですが、たぶん、口にキスをしてそれから、えっと……胸とか触ったりとかして……あの……」
「そうか。じゃあ、そうしよう」
迫ってくる薫樹を慌てて芳香は制する。
「ま、待って」
「ん?」
「あの、シャワー浴びさせてほしいです」
「なぜ?」
「ほ、ほんとに?」
「嘘じゃない」
「は、はい」
「良かった。ついでに色々誤解を解いとかないとな。こっちにおいで」
いつも通りに落ち着いた薫樹は夢を見るような表情をしている芳香の手を取り寝室へ連れていく。
「え、あの」
動揺する芳香を横たわらせ靴下を脱がせ、ボディーシートで親指から小指まで一本一本丁寧に拭き、土踏まずから踵まで綺麗に拭きあげた。
「どうやらマッサージだと思われていたようだから、はっきり愛撫だということを理解してもらっておかないと」
「え、あ、ちょっ」
「今日こそ寝かさない」
薫樹が優しく足の甲に口づけする。足首までチュッチュとキスを施し、舌を這わせ始めた。
「あ、ひゃっ、やっ」
ぞくぞくしながらも芳香は快感を得る。そして薫樹の指先から漂う木の香りを愉しんだ。爪先からの快感と指先の香りでリラックスしながら芳香は思う。
(やっぱり、この人って変わってる……。恋人になったらほんとは足じゃなくて唇にキスするものよね……)
常軌を逸している彼との付き合いは凡人の芳香にとってどんなものになるのか全く予想がつかず不安は大きい。しかし匂いが人それぞれのように恋愛の形も様々なのだろうと、しびれるような感覚に身をゆだねることした。
18 やり直し
「芳香、芳香! 起きて」
「ふぁ? へ、ああ……」
(やばい。寝てた……)
薫樹の顔が目の前に迫っている。芳香は慌てて身体を起こした。
「ご、ごめんなさい。どうしても足を触られると眠くなってしまって……」
「ふう……。どうしたらいいんだ」
「あ、あの。下からじゃなくて上から普通にしてもらえたらいいかと思うんですが」
「上から?」
「ええ……」
「普通に……か。わかった。どうすればいいか言ってくれ。ついつい君の匂いを嗅ぎたくて足に行ってしまう。こういう経験がないからどうすれば君が喜ぶのかわからない」
「わ、私も経験がないのでどうしたらいいかわからないですが、たぶん、口にキスをしてそれから、えっと……胸とか触ったりとかして……あの……」
「そうか。じゃあ、そうしよう」
迫ってくる薫樹を慌てて芳香は制する。
「ま、待って」
「ん?」
「あの、シャワー浴びさせてほしいです」
「なぜ?」