爪先からムスク、指先からフィトンチッド
芳香の願いに真菜は「私は最近外反母趾気味だからちょっと痛くてさー」とラインストーンのついたまつ毛をしばしばさせた。Tストラップでヒールの太いピンクのパンプスは真菜に良く似合っている。
真菜はいつも可愛いパンプスを履いていて芳香はいつも憧れていた。足の匂いが改善したおかげで、消臭にそこまで力を入れる必要が無くなった今、欲しいものは何かと尋ねられたら『かわいい靴』なのだ。
それぞれ目的の靴の方へバラバラと向かい試し履きをすることにした。
芳香はウキウキと宝石を眺めるようにパンプスを眺める。
今履いているエナメルのストラップシューズも気に入っているが、もう少し大人っぽくて可愛いものを探す。
選び慣れていない芳香にはどのシューズも眩しく映りなかなか選択できないが、試し履きができることだけでも満足だ。
選び終えた真菜がやってくる。
「どう? 芳香ちゃん、いいのあった?」
「うーんとね、これとこれで迷ってるの」
どちらもアイボリーの革製でバックにリボンが付いているが、爪先の形がポインテッドトゥかオープントゥの違いがある。
「ああ、オープンいいじゃない」
「靴が空いてるって、平気かなあって思って……」
「ふふふっ。通気性がいい方がいいんじゃない?」
「そ、そっか。じゃ、こっちにしようかな」
「うんうん、芳香ちゃん、お手入れしてるだけあって足すごい綺麗じゃん。ペディキュアでも塗って爪先見せなよー」
「ええっ!? 爪先を見せるの?」
「うん。そうだよ?」
隠し続けてきたものを見せるという発想がなかったため真菜の発言にドキリとしたが、ペディキュアの魅力に芳香はうっとりした。
「ふふっ、買い物したらのんびりできるとこでランチしようよ」
「うんっ!」
新しい靴を購入し、二人はホクホクとランチに向かった。
長居のできるオープンテラスのあるスペイン料理屋でランチをとることにした。
少し町から離れているおかげで、人もまばらでゆったりできる。
「誰にも会わないし、ニンニクたっぷり食べちゃおっかなー」
「ニンニクたっぷり……」
ごくりと芳香は喉を鳴らす。
「二人で食べたら臭くないしさー」
「う、うん。食べよう!」
「パエリアは必須だよねえ。アヒージョも食べたいしー」
「うわ、生ハムとニンニクのスープだってえ」
「ああ、いいね。たのもたのも」
食事も随分と楽しめるようになり芳香は毎日が嬉しい。
ゆったりした気分で食事をしていると隣のカップルが野島美月の話をしているのが耳に入った。
「あのボディシートのモデル、この前、撮影してるの見たよ」
「へえー、やっぱり可愛かったの?」
「実物もよかったなあー」
「ちょっとぉーヘラヘラしないでよ」
「芸能人に怒んなよー。ああでも取り巻きができてた男がいたなあ。タレントじゃなさそうだけど」
「どんな人?」
「背が高くてスーツがなんかビシッと決まってさ、眼鏡かけてたけどあれは男から見てもイケメンだな」
「ええー、イケメンのメガネ男子ぃー。なんで呼んでくんないのよぉー」
「なんだよ、お前、自分の事棚に上げて」
ワイワイ盛り上がった後カップルはいちゃいちゃしながら席を立った。
ため息をつく芳香に真菜は首をかしげて尋ねる。
「どうかした? 匂宮さま、モテモテじゃん」
「んー、それがね……」
先日、野島美月が薫樹のマンションにやってきたことを話す。
「ええっー! イケイケだねー、そんな雰囲気だけどさ」
「兵部さんは、全然その気がないのは分かるけど、あんな可愛い子がライバルって……」
同情するように真菜は優しく見つめる。
真菜はいつも可愛いパンプスを履いていて芳香はいつも憧れていた。足の匂いが改善したおかげで、消臭にそこまで力を入れる必要が無くなった今、欲しいものは何かと尋ねられたら『かわいい靴』なのだ。
それぞれ目的の靴の方へバラバラと向かい試し履きをすることにした。
芳香はウキウキと宝石を眺めるようにパンプスを眺める。
今履いているエナメルのストラップシューズも気に入っているが、もう少し大人っぽくて可愛いものを探す。
選び慣れていない芳香にはどのシューズも眩しく映りなかなか選択できないが、試し履きができることだけでも満足だ。
選び終えた真菜がやってくる。
「どう? 芳香ちゃん、いいのあった?」
「うーんとね、これとこれで迷ってるの」
どちらもアイボリーの革製でバックにリボンが付いているが、爪先の形がポインテッドトゥかオープントゥの違いがある。
「ああ、オープンいいじゃない」
「靴が空いてるって、平気かなあって思って……」
「ふふふっ。通気性がいい方がいいんじゃない?」
「そ、そっか。じゃ、こっちにしようかな」
「うんうん、芳香ちゃん、お手入れしてるだけあって足すごい綺麗じゃん。ペディキュアでも塗って爪先見せなよー」
「ええっ!? 爪先を見せるの?」
「うん。そうだよ?」
隠し続けてきたものを見せるという発想がなかったため真菜の発言にドキリとしたが、ペディキュアの魅力に芳香はうっとりした。
「ふふっ、買い物したらのんびりできるとこでランチしようよ」
「うんっ!」
新しい靴を購入し、二人はホクホクとランチに向かった。
長居のできるオープンテラスのあるスペイン料理屋でランチをとることにした。
少し町から離れているおかげで、人もまばらでゆったりできる。
「誰にも会わないし、ニンニクたっぷり食べちゃおっかなー」
「ニンニクたっぷり……」
ごくりと芳香は喉を鳴らす。
「二人で食べたら臭くないしさー」
「う、うん。食べよう!」
「パエリアは必須だよねえ。アヒージョも食べたいしー」
「うわ、生ハムとニンニクのスープだってえ」
「ああ、いいね。たのもたのも」
食事も随分と楽しめるようになり芳香は毎日が嬉しい。
ゆったりした気分で食事をしていると隣のカップルが野島美月の話をしているのが耳に入った。
「あのボディシートのモデル、この前、撮影してるの見たよ」
「へえー、やっぱり可愛かったの?」
「実物もよかったなあー」
「ちょっとぉーヘラヘラしないでよ」
「芸能人に怒んなよー。ああでも取り巻きができてた男がいたなあ。タレントじゃなさそうだけど」
「どんな人?」
「背が高くてスーツがなんかビシッと決まってさ、眼鏡かけてたけどあれは男から見てもイケメンだな」
「ええー、イケメンのメガネ男子ぃー。なんで呼んでくんないのよぉー」
「なんだよ、お前、自分の事棚に上げて」
ワイワイ盛り上がった後カップルはいちゃいちゃしながら席を立った。
ため息をつく芳香に真菜は首をかしげて尋ねる。
「どうかした? 匂宮さま、モテモテじゃん」
「んー、それがね……」
先日、野島美月が薫樹のマンションにやってきたことを話す。
「ええっー! イケイケだねー、そんな雰囲気だけどさ」
「兵部さんは、全然その気がないのは分かるけど、あんな可愛い子がライバルって……」
同情するように真菜は優しく見つめる。