爪先からムスク、指先からフィトンチッド
「ねえ。男と女が部屋に二人きりってただお喋りするだけなのかしら。私のことを、どんな女か確認しなくていいの?」
「なっ、何を言い出すんだ。――俺を誘ってるのか」
答えずに環は白いシャツのボタンを外し始めた。その下には何も身につけていない。
滑らかで一切の無駄がないしなやかな肢体を環は晒す。
「一体、何をしているんだ」
「やっぱりモデルの身体なんて男には魅力的じゃないわよね」
切れ長の大きく鋭い目と浅黒い細い体は美しいネコ科の獣のようだ。
「こ、こんな綺麗な身体――初めて見たよ……」
「じゃあ、きて……」
めまいを感じながら涼介は環の薄いかろうじてふくらみのある胸元に顔をうずめ、スパイシーな獣の香りを嗅いだ。
12 王と姫
環の乾いたさらさらした褐色の肌に涼介は頬ずりしながら背中に指を這わせ、ワイドパンツとTバックの小さなショーツをずらし形の良い上向きのヒップを出させる。
身体を抱きかかえ、ベッドに寝かせ涼介は覆いかぶさったまま浅黒い肌に柘榴のように輝く小さな乳頭にキスをする。
9等身の整ったスタイルと手足や小さなパーツのあどけなさが涼介を倒錯させる。
「綺麗なのに……なんて……可愛い」
肌を撫で、身体中にキスを降らせ、そっと短く整えられた茂みに手を伸ばす。環は身動きせず簡単に涼介の指先を秘園へ迎え入れる。
優しく指先で柔らかい波打つそこを愛撫している涼介が、いきなりがばっと上体を起こす。
「どうしたの?」
環は不思議そうに尋ねた。
「君は……初めてじゃないか……」
涼介は大きく深呼吸をしてベッドの端に引っかかっていた環の白いブラウスを、彼女の身体を見ないように背中からふわりと掛けた。
「わかる――の」
「あまり大きな声では言えないが、それなりに女性経験はあるんだ。――女性がヴァージョンかどうかは、最後までしなくてもわかるよ」
「そう――。じゃあ、抱かないのね」
「抱きたいと思ったのは本当だが……。もっと大事にした方がいい」
「もうジャンもいないのに……」
「そうだ。どうしてなんだ。君はジャンの恋人だっただろう?」
「ジャンの……私はリトルプリンセス……」
――施設を出た後、旅費をため単身でパリに渡り、モデルになるべくオーディションを受けて歩く。帰る家もなく背水の陣で挑んできたが、世界の壁は大きく日本人への蔑みも手伝い受け入れは針の孔よりも小さい。
「なっ、何を言い出すんだ。――俺を誘ってるのか」
答えずに環は白いシャツのボタンを外し始めた。その下には何も身につけていない。
滑らかで一切の無駄がないしなやかな肢体を環は晒す。
「一体、何をしているんだ」
「やっぱりモデルの身体なんて男には魅力的じゃないわよね」
切れ長の大きく鋭い目と浅黒い細い体は美しいネコ科の獣のようだ。
「こ、こんな綺麗な身体――初めて見たよ……」
「じゃあ、きて……」
めまいを感じながら涼介は環の薄いかろうじてふくらみのある胸元に顔をうずめ、スパイシーな獣の香りを嗅いだ。
12 王と姫
環の乾いたさらさらした褐色の肌に涼介は頬ずりしながら背中に指を這わせ、ワイドパンツとTバックの小さなショーツをずらし形の良い上向きのヒップを出させる。
身体を抱きかかえ、ベッドに寝かせ涼介は覆いかぶさったまま浅黒い肌に柘榴のように輝く小さな乳頭にキスをする。
9等身の整ったスタイルと手足や小さなパーツのあどけなさが涼介を倒錯させる。
「綺麗なのに……なんて……可愛い」
肌を撫で、身体中にキスを降らせ、そっと短く整えられた茂みに手を伸ばす。環は身動きせず簡単に涼介の指先を秘園へ迎え入れる。
優しく指先で柔らかい波打つそこを愛撫している涼介が、いきなりがばっと上体を起こす。
「どうしたの?」
環は不思議そうに尋ねた。
「君は……初めてじゃないか……」
涼介は大きく深呼吸をしてベッドの端に引っかかっていた環の白いブラウスを、彼女の身体を見ないように背中からふわりと掛けた。
「わかる――の」
「あまり大きな声では言えないが、それなりに女性経験はあるんだ。――女性がヴァージョンかどうかは、最後までしなくてもわかるよ」
「そう――。じゃあ、抱かないのね」
「抱きたいと思ったのは本当だが……。もっと大事にした方がいい」
「もうジャンもいないのに……」
「そうだ。どうしてなんだ。君はジャンの恋人だっただろう?」
「ジャンの……私はリトルプリンセス……」
――施設を出た後、旅費をため単身でパリに渡り、モデルになるべくオーディションを受けて歩く。帰る家もなく背水の陣で挑んできたが、世界の壁は大きく日本人への蔑みも手伝い受け入れは針の孔よりも小さい。