大嫌いの先にあるもの【番外編】
黒須とベンチまで行き、腰を下ろした。
「良かったらどうぞ」
差し出されたのはペットボトルに入ったホットレモンティー。
「いつ買ったの?」
「電話してる時に。さっき自販機の前に立ってただろ?」
「ああ」
言われてみれば黒須を見つけたのは自販機の前だった。
「春音ちゃんに買ったんだよ。レモンティー好きだよね?」
「覚えていてくれたの?」
「義理の兄として妹の事は知っておきたいからね」
「義理の兄……」
胸がちくっとする。
「僕、何か変な事言った?」
「ううん。いただきます」
レモンティーを飲んだ。あったかい。なんかほっとする。
「春音ちゃん、体調はどう?」
「もう大丈夫です」
「良かった。心配したよ」
「心配してくれたんですか?」
「大事な妹だから」
「妹……」
また胸がちくっとする。
妹か。
仕方ないよね。今の私と黒須の関係はそれしかないんだから。
美香ちゃんが生きているんだから喜ばなきゃ。
喜ばなきゃいけないのに。
なんで胸が苦しいんだろう。
「春音ちゃんとのデート、二度目だね」
「えっ」
「僕たちの初デートは去年だっただろ?」
「ああ、そういえば」
美香ちゃんがBlue&Devilのステージに初めて立ったのは一年前だった。黒須と二人だけで出掛けたのが本当に初めてで緊張したっけ。
「今年はすみません。私のせいで台無しになっちゃって」
「そんな事ないよ。春音ちゃんと美香のライブを観れて楽しかったよ」
黒須が微笑む。月明りに照らされた笑顔が輝いて見える。
そんな素敵な笑顔を向けられたら甘えたくなる。黒須に抱きしめてもらいたい。キスして欲しい。
だけど、ダメだよね。恋人じゃないんだから。
苦しいな。片思いは。
「良かったらどうぞ」
差し出されたのはペットボトルに入ったホットレモンティー。
「いつ買ったの?」
「電話してる時に。さっき自販機の前に立ってただろ?」
「ああ」
言われてみれば黒須を見つけたのは自販機の前だった。
「春音ちゃんに買ったんだよ。レモンティー好きだよね?」
「覚えていてくれたの?」
「義理の兄として妹の事は知っておきたいからね」
「義理の兄……」
胸がちくっとする。
「僕、何か変な事言った?」
「ううん。いただきます」
レモンティーを飲んだ。あったかい。なんかほっとする。
「春音ちゃん、体調はどう?」
「もう大丈夫です」
「良かった。心配したよ」
「心配してくれたんですか?」
「大事な妹だから」
「妹……」
また胸がちくっとする。
妹か。
仕方ないよね。今の私と黒須の関係はそれしかないんだから。
美香ちゃんが生きているんだから喜ばなきゃ。
喜ばなきゃいけないのに。
なんで胸が苦しいんだろう。
「春音ちゃんとのデート、二度目だね」
「えっ」
「僕たちの初デートは去年だっただろ?」
「ああ、そういえば」
美香ちゃんがBlue&Devilのステージに初めて立ったのは一年前だった。黒須と二人だけで出掛けたのが本当に初めてで緊張したっけ。
「今年はすみません。私のせいで台無しになっちゃって」
「そんな事ないよ。春音ちゃんと美香のライブを観れて楽しかったよ」
黒須が微笑む。月明りに照らされた笑顔が輝いて見える。
そんな素敵な笑顔を向けられたら甘えたくなる。黒須に抱きしめてもらいたい。キスして欲しい。
だけど、ダメだよね。恋人じゃないんだから。
苦しいな。片思いは。