大嫌いの先にあるもの【番外編】
「変じゃないと思います。私もそう思っていますから」
黒須が瞬きをしてから、息を飲んだ。
「春音も夢の中にいる気がしているのか?」
「はい。だって本当の私は中学生じゃありませんから」
「そうなのか?」
「本当の私は二十歳です」
「二十歳……?」
黒須がじっと視線を向ける。
まじまじと見られて恥ずかしい。
「二十歳には見えないな」
「姿は中学生ですけど、二十歳の大学生なんです。恋人だっていますから」
黒い瞳が驚いたように丸くなった。
「春音は可愛いからな。恋人がいるのもわかるよ。どんな人?」
「どんな人って」
黒須だって言ったらどうするんだろう。
「同じ大学の学生?それともバイト先で出会った人とか?」
黒須が楽し気に聞いてくる。実は恋バナが好きなのかな。
「大学の先生です」
「先生か。意外だね。という事はかなり年上?」
「16歳上です」
「随分と上だね。話題とか合うの?」
「合いますよ」
「どんな話するの?」
「普通の話ですけど。大学の事とか、勉強の事とか、ジャズの事とか、ピアノの話とか」
「ピアノの話?」
「彼も私もピアノを弾くから、連弾する曲の話とかするんです」
「彼とも『ジュピター』を連弾するのかい?」
「まあ」
「ちょっと妬けるな。『ジュピター』は僕と春音の連弾曲だから他の男とは弾かないで欲しいな」
黒須が柔らかな笑みを浮かべた。
胸の奥がギュッと掴まれる。魅力的過ぎる。そんな優しい笑顔見せられたら誰だって黒須に恋するよ。
困るな。これ以上好きになったら自分を抑えられなくなりそうなのに。
「本当は二十歳だっていう私の話、信じるんですか?」
「もちろん。春音は嘘をつく子じゃないってわかっているから。美香の妹だしね」
妹……。
やっぱり胸が痛い。
夢なら早く覚めて。妹の立場は辛いよ。
黒須が瞬きをしてから、息を飲んだ。
「春音も夢の中にいる気がしているのか?」
「はい。だって本当の私は中学生じゃありませんから」
「そうなのか?」
「本当の私は二十歳です」
「二十歳……?」
黒須がじっと視線を向ける。
まじまじと見られて恥ずかしい。
「二十歳には見えないな」
「姿は中学生ですけど、二十歳の大学生なんです。恋人だっていますから」
黒い瞳が驚いたように丸くなった。
「春音は可愛いからな。恋人がいるのもわかるよ。どんな人?」
「どんな人って」
黒須だって言ったらどうするんだろう。
「同じ大学の学生?それともバイト先で出会った人とか?」
黒須が楽し気に聞いてくる。実は恋バナが好きなのかな。
「大学の先生です」
「先生か。意外だね。という事はかなり年上?」
「16歳上です」
「随分と上だね。話題とか合うの?」
「合いますよ」
「どんな話するの?」
「普通の話ですけど。大学の事とか、勉強の事とか、ジャズの事とか、ピアノの話とか」
「ピアノの話?」
「彼も私もピアノを弾くから、連弾する曲の話とかするんです」
「彼とも『ジュピター』を連弾するのかい?」
「まあ」
「ちょっと妬けるな。『ジュピター』は僕と春音の連弾曲だから他の男とは弾かないで欲しいな」
黒須が柔らかな笑みを浮かべた。
胸の奥がギュッと掴まれる。魅力的過ぎる。そんな優しい笑顔見せられたら誰だって黒須に恋するよ。
困るな。これ以上好きになったら自分を抑えられなくなりそうなのに。
「本当は二十歳だっていう私の話、信じるんですか?」
「もちろん。春音は嘘をつく子じゃないってわかっているから。美香の妹だしね」
妹……。
やっぱり胸が痛い。
夢なら早く覚めて。妹の立場は辛いよ。