大嫌いの先にあるもの【番外編】
「あの、上着ありがとうございました」
肩にかけていた上着を脱ごうとしたら、黒須の手が私の肩に触れた。
「寒いから着てて。次に会った時返してくれればいいからさ」
「次?」
「クリスマス休暇に入ったらまた日本に来るよ。美香と一緒にね」
黒須がウィンクをした。
私の為に美香ちゃんを連れて来てくれるんだ。

「圭介、来月も日本に来るの?」
美香ちゃんが驚いたように眉を上げた。

「うん。春音に会いたくなったから」
「受験勉強の邪魔になるよ」
「ならない!是非、美香ちゃんと来て下さい」
「春音、絶対に美香と一緒に来るからね。心配せず休むんだよ」
黒須が私の瞳を見つめながら言った。
本気で黒須は美香ちゃんを守るつもりなんだ。

「はい。黒須と美香ちゃんを待っています」
信じよう黒須を。
きっと、これで未来は変わる。

黒須とは恋人になる事はなくなってしまうけど。
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