大嫌いの先にあるもの【番外編】
「思ったより圭介と仲良くやっているのね」
病室に戻ると美香ちゃんが私をベッドに寝かせながら言った。
黒須とは病室に戻る途中で別れたから、美香ちゃんと二人きりだ。
「もしかして美香ちゃん嫉妬?」
からかうように言うと、美香ちゃんが小さく笑った。
「そんな訳ないでしょ。春音、圭介によそよそしかったから心配だったの」
「私、よそよそしかった?」
「圭介がいるといつも気まずそうな顔するじゃない」
中学生の私はそうだったかもしれない。
初めての恋にどうしたらいいかわからなくて、いつも黒須の前では緊張していた。
「屋上にいた春音が圭介に親し気な顔をしていたから、ほっとしたよ」
「そんなに心配だったの?」
「そりゃまあ。私たち女だけの家で育ったから男の人にあまり慣れていないでしょ?だから、春音が圭介とうまくやっていけるかちょっと心配だったの」
「大丈夫だよ。黒須とは仲良しになったから」
「黒須?」
美香ちゃんが不思議そうに眉を寄せた。
「圭介さんの事、黒須って呼ぶ事にしたの。それが一番好きな呼び方だから」
「なんか生意気な呼び方ね」
美香ちゃんがクスっと笑った。
「美香ちゃん。黒須とずっと幸せでいてね。美香ちゃんと黒須が幸せでいてくれれば私も幸せだから」
「急にどうしたの?」
「黒須はね、美香ちゃんの事とっても愛しているからね。絶対に黒須から離れちゃダメだよ。何があっても黒須と一緒にいるんだよ。ケンカとかしても仲直りしてね。変な意地張ったらダメだよ。黒須を悲しませるような事はしないでね。50年後、老夫婦になっても黒須と寄り添っているんだよ」
「春音、なんで泣いてるの?」
「美香ちゃん、約束してよ。黒須を幸せにしてあげてね」
「春音、どうしたの?」
「約束して」
「うん。約束するよ。だから泣かないで。心配になるじゃない」
美香ちゃんがティッシュをくれた。
もらったティッシュがすぐに涙でいっぱいになる。
身体中が千切れそうな程、痛い。
おかしいな。みんなが幸せになれる選択をしたのに。
なんで、悲しいんだろう。
病室に戻ると美香ちゃんが私をベッドに寝かせながら言った。
黒須とは病室に戻る途中で別れたから、美香ちゃんと二人きりだ。
「もしかして美香ちゃん嫉妬?」
からかうように言うと、美香ちゃんが小さく笑った。
「そんな訳ないでしょ。春音、圭介によそよそしかったから心配だったの」
「私、よそよそしかった?」
「圭介がいるといつも気まずそうな顔するじゃない」
中学生の私はそうだったかもしれない。
初めての恋にどうしたらいいかわからなくて、いつも黒須の前では緊張していた。
「屋上にいた春音が圭介に親し気な顔をしていたから、ほっとしたよ」
「そんなに心配だったの?」
「そりゃまあ。私たち女だけの家で育ったから男の人にあまり慣れていないでしょ?だから、春音が圭介とうまくやっていけるかちょっと心配だったの」
「大丈夫だよ。黒須とは仲良しになったから」
「黒須?」
美香ちゃんが不思議そうに眉を寄せた。
「圭介さんの事、黒須って呼ぶ事にしたの。それが一番好きな呼び方だから」
「なんか生意気な呼び方ね」
美香ちゃんがクスっと笑った。
「美香ちゃん。黒須とずっと幸せでいてね。美香ちゃんと黒須が幸せでいてくれれば私も幸せだから」
「急にどうしたの?」
「黒須はね、美香ちゃんの事とっても愛しているからね。絶対に黒須から離れちゃダメだよ。何があっても黒須と一緒にいるんだよ。ケンカとかしても仲直りしてね。変な意地張ったらダメだよ。黒須を悲しませるような事はしないでね。50年後、老夫婦になっても黒須と寄り添っているんだよ」
「春音、なんで泣いてるの?」
「美香ちゃん、約束してよ。黒須を幸せにしてあげてね」
「春音、どうしたの?」
「約束して」
「うん。約束するよ。だから泣かないで。心配になるじゃない」
美香ちゃんがティッシュをくれた。
もらったティッシュがすぐに涙でいっぱいになる。
身体中が千切れそうな程、痛い。
おかしいな。みんなが幸せになれる選択をしたのに。
なんで、悲しいんだろう。