大嫌いの先にあるもの【番外編】
「立花春音!また講義中に昼寝かね」
厳しい声にハッとした。
目を開けると、マイクを持ったスーツ姿の黒須が立っていた。
「講義の後、僕の研究室に来るように」
そう言うと黒須は背を向け階段教室の中を歩き出した。
「えーIMFの話に戻りますが、この場合のサーベイランスはテキストにある通り『個別国の経済、金融情勢に関する調査や分析を通じて各国が適切に経済政策を運営しているかを評価する』仕組みになります。つまりですね、これは――」
マイク越しに響く黒須の声を聞きながら、今が大学での講義中である事を思い出した。隣の席には若菜とゆかがいて、うっとりした様子で黒須を眺めていた。
大学でのいつもの光景だけど、しっくりこない。
確か病室にいたはず。
私は中学生で、美香ちゃんがいて、黒須とは絶対に別れないで欲しいと話していた。
美香ちゃんはどこ?
「春音、どうしたの?」
キョロキョロと教室を見ていると、ゆかに聞かれた。
「ここって大学だよね?」
「春音、寝ぼけてるの?」
「ねえ、答えてよ。ここは大学だよね?私、中学生になっていないよね?」
ゆかが困ったような笑みを浮かべた。
「相当、変な夢見たんだな。そうだよ。ここは大学で春音は大学三年生。中学生じゃないよ」
良かった。大学生の私に戻っている。
でも、さっきまでの出来事は何?夢だったの?
厳しい声にハッとした。
目を開けると、マイクを持ったスーツ姿の黒須が立っていた。
「講義の後、僕の研究室に来るように」
そう言うと黒須は背を向け階段教室の中を歩き出した。
「えーIMFの話に戻りますが、この場合のサーベイランスはテキストにある通り『個別国の経済、金融情勢に関する調査や分析を通じて各国が適切に経済政策を運営しているかを評価する』仕組みになります。つまりですね、これは――」
マイク越しに響く黒須の声を聞きながら、今が大学での講義中である事を思い出した。隣の席には若菜とゆかがいて、うっとりした様子で黒須を眺めていた。
大学でのいつもの光景だけど、しっくりこない。
確か病室にいたはず。
私は中学生で、美香ちゃんがいて、黒須とは絶対に別れないで欲しいと話していた。
美香ちゃんはどこ?
「春音、どうしたの?」
キョロキョロと教室を見ていると、ゆかに聞かれた。
「ここって大学だよね?」
「春音、寝ぼけてるの?」
「ねえ、答えてよ。ここは大学だよね?私、中学生になっていないよね?」
ゆかが困ったような笑みを浮かべた。
「相当、変な夢見たんだな。そうだよ。ここは大学で春音は大学三年生。中学生じゃないよ」
良かった。大学生の私に戻っている。
でも、さっきまでの出来事は何?夢だったの?