拾った男,まさかの一生もん
「お前,帰りたくねぇの?」
そんな踏み込んだことを聞いたのは,何日目のことか。
「なに,邪魔?」
「いや,別に」
正直あずさがいるくらい,もう慣れた。
今さらいなくなられても,物足んねぇような気すらする。
「……両親の仲がわりぃんだよ,最近。その火の粉から身を守ってんの」
「へぇ」
そんだけ? って抗議の視線が飛ばされた。
自分で聞いといてだが,あずさの事情に,特になんの興味もない。
「俺,ちょーエリートの間に生まれたわけ」
「へー」
そうは見えないな。
「今意外だと思ったでしょ。ま,実際そーなの。俺勉強なんてだいっきらいで,糞食らえなの」
それで元々反感食らってたんだけど…
あずさは思い出すように瞳を閉じる。
何となく緊張した雰囲気を感じて,別に話さなくていいのにと俺は思った。
「俺,よりにもよって男を好きになっちゃって。両親大爆発みたいな。で,今は俺みたいなのになった責任を擦り付け合ってる」
その内全部お前のせいって俺に矛先向くんだろうなー。なんて,あずさは言いながら,俺をチラリと一瞥した。
「引いた?」
そんな踏み込んだことを聞いたのは,何日目のことか。
「なに,邪魔?」
「いや,別に」
正直あずさがいるくらい,もう慣れた。
今さらいなくなられても,物足んねぇような気すらする。
「……両親の仲がわりぃんだよ,最近。その火の粉から身を守ってんの」
「へぇ」
そんだけ? って抗議の視線が飛ばされた。
自分で聞いといてだが,あずさの事情に,特になんの興味もない。
「俺,ちょーエリートの間に生まれたわけ」
「へー」
そうは見えないな。
「今意外だと思ったでしょ。ま,実際そーなの。俺勉強なんてだいっきらいで,糞食らえなの」
それで元々反感食らってたんだけど…
あずさは思い出すように瞳を閉じる。
何となく緊張した雰囲気を感じて,別に話さなくていいのにと俺は思った。
「俺,よりにもよって男を好きになっちゃって。両親大爆発みたいな。で,今は俺みたいなのになった責任を擦り付け合ってる」
その内全部お前のせいって俺に矛先向くんだろうなー。なんて,あずさは言いながら,俺をチラリと一瞥した。
「引いた?」